地籍調査とは

我が国における土地に関する記録の約4割は、明治時代の地租改正によって作られた地図(公図)をもとにしたもので、土地の境界が不明確であったり、測量も不正確であったりするため、土地の実態を正確に把握することができません。限りある国土の有効活用・保全のためには、土地の実態を正確に把握する地籍調査を実施する必要があります。
地籍調査とは、一筆(*)ごとの土地について、その所有者、地番及び地目の調査並びに境界及び地積に関する測量を行い、その結果を地図及び簿冊に作成することをいいます。 地籍調査により作成された「地籍簿」と「地籍図」は、その写しが登記所に送付され、登記所において地籍簿をもとに土地登記簿が書き改められ、地籍図が不動産登記法第14条の地図として備え付けられます。
地籍調査の成果は、個人の土地取引から公的機関による地域の整備まで、およそ土地に関するあらゆる行為のための基礎データとなるものです。
(*)一筆とは、土地の所有権等を公示するために、人為的に分けた1区画のことです。登記所では一筆ごとに登記がなされ、土地取引の単位となっています。

地籍調査に関係する主な法律等

  • 国土調査法 (昭和26年6月1日 法律第180号)
  • 国土調査法施行令 (昭和27年3月31日 政令第59号)
  • 国土調査促進特別措置法 (昭和37年5月19日 法律第143号)
  • 国土調査促進特別措置法施行令 (昭和45年9月16日 政令第261号)
  • 国土調査事業十箇年計画 (平成12年5月23日 閣議決定)
  • 地籍調査作業規程準則 (昭和32年10月24日 総理府令第71号)

地籍調査はこんなことに役立ちます

公共事業の円滑化に役立ちます

地籍調査の成果は、各種公共事業の計画、設計、用地買収、完成後の維持管理の各段階の円滑な実施に、大いに寄与します。
例えば、土地区画整理事業を実施する場合、事前の調査や測量に多大な労力を費やすことが多いものです。しかし、地籍調査が行われていれば、土地所有者の実態が明らかなため、換地も容易に進めることができます。また、道路を舗装する時にも、官民境界が不明確なために事業がなかなか進まないといった状況に陥ることなく実施でき、道路台帳も容易に作成することができます。

課税の適正化に役立ちます

地籍調査未実施の地域においては、固定資産税の課税が、必ずしも実態を正確に反映しているとはいえない土地登記簿や公図に基づいて行われている場合があります。地籍調査を実施すると、面積が正確に測量されるため、課税の適正化に役立ちます。

災害の復旧に役立ちます

地震、火山噴火、土砂崩れ、水害等の災害が起きてしまった場合、地籍調査が行われていれば、個々の土地が地球上の座標値で表示されているため、元の位置を容易に確認することができ、復旧事業を円滑に進めることができます。

まちづくりに役立ちます

市町村の整備計画(まちづくりプラン・むらおこし計画等)を立案する際に、地籍調査の成果を基礎データとして利用することにより、各種計画図等の作成が容易になるとともに、住民の皆さんにも分かりやすいきめ細かな計画立案が可能となります。

土地取引の円滑化に役立ちます

正確な土地の状況が登記簿に反映され、登記制度の信頼性が向上するとともに、安心して土地取引ができるため、経済活動全体の円滑化・活性化につながります。

土地にかかるトラブルの未然防止に役立ちます

土地の境界が不明確であると、住民間や官民間において境界紛争等様々なトラブルが発生しがちです。地籍調査の実施は、このようなトラブルを未然に防ぐことにつながります。

地籍図は最適なGISの基図になります

GIS(Geographic Information System)とは、地理情報システムであり、地図を媒介として、数字データだけではわかりにくい現実の動きや情報を分析・解明したり、シミュレーション結果を視覚的に捉えようとするシステムのことです。平たく言うと、デジタル化された地図と統計やグラフ等の文字・数値データをリンクさせ、一元的に管理を行うというものです。

これまで、紙によって管理されていた地図や、文字・数値情報では、その業務にしか使用されないことがほとんどでした。けれども、実際には(そのまま使用できないにしても)多少加工することによって、使用可能なデータは、多数存在しているはずです。
GISはデジタル地図の上に多数のデータを重ね合わせることによって、一部署だけで使用するのではなく「様々な情報を皆で共有し、その都度、必要な情報のみを取り出したり、加工して使用しましょう。」ということなのです。
当然の事ながら、初期投資に金額がかさむものの、これまで各部署が、その都度、別発注していた業務を僅かな修正作業により、処理することが可能になるのです。
GISは自治体の情報管理コスト・公共事業費を軽減します。

地籍調査の事業メニュー

地籍調査事業(一般型、外注型)

地籍調査は、国土調査促進特別措置法に基づく国土調査事業十箇年計画により、主として市町村が事業を実施しています。現在は第5次国土調査事業十箇年計画のもと、土地の有効利用の推進という土地政策の観点から、緊急性の高い地域について、地籍の明確化を図ることとして調査に取り組んでいます。
地籍調査のうち、一筆地調査については、市町村職員が自ら実施することを原則としておりますが、平成12年度からは、調査の促進を図るため、外部の技術者(*)を活用することが可能となりました。地籍調査の対象地域は、全国土のうち、国有林、水面等を除いた地域です。
このほか地籍調査には、目的別にさまざまな各種事業メニューがあります。地籍調査事業(一般型、外注型)と併せて活用することにより、調査の一層の促進が図られることになります。

市街地緊急地籍調査事業

市街地を対象とし、短期間のうちに調査を完了させるため、民間の専門技術者を調査の全工程にわたって活用して地籍調査を実施します。
要件: 東京都特別区、全国の市、全国の町村の市街地(DID)を含む地域及び区画整理等都市再生に資する事業の実施される地域であること。

都市整備連携地籍調査事業

[イ] 都市整備に伴う事業(土地区画整理事業、街路の整備等)による測量成果等の活用や、
[ロ] 市街地に高密度に設置した図根点(土地の境界の位置を求めるために地籍調査の中で地方自治体が設置する座標値を持つ点)に基づく土地異動情報の蓄積の活用により、市街地における地籍調査を実施します。
要件: 東京都特別区、全国の市、全国の町村の市街地(DID)を含む地域及び区画整理等都市再生に資する事業の実施される地域であること。

都市再生推進基準点測量

都市再生に資する区画整理、街路等の事業が予定されている地域に測量の基礎となる基準点(図根点の位置を求めるのに国が設置する座標値を持つ点)を高密度に設置することにより、これら事業に伴う測量成果を国土調査法の成果と同一の効果があるものと指定し、総合的な地籍の明確化を促進します。

地籍調査作業工程

【A工程】計画

地籍調査の実施計画及び作業規程を作成し、都道府県知事に届け出るとともに、地籍調査の実施に関する公示を行います。

【B工程】準備

地籍調査の実施にあたり、調査体制の確立、実施地域の事前調査、住民等への説明等必要な準備を行います。

【C工程】地籍図根三角測量

図根多角測量の基礎になる基準点(図根三角点)の設置を行います。都市3点/k㎡、農耕地2点/k㎡、山林1点/k㎡

【D工程】地籍図根多角測量

国家三角点及び図根三角点を基に図根多角点の設置を行います。

【E工程】一筆地調査

一筆ごとの土地について、所有者、所在、地番、地目及び境界を調べる工程です。境界の調査では、所有者の立会いのもとに土地の境界杭が打たれます。

【F工程】地籍細部測量

一筆地調査によって確認された筆界杭について、国家三角点や、C、D工程で設置した基準点を基に測量し、正確な座標値を求める工程です。

【G工程】地積測定

地籍測量の結果に基づいて、毎筆の土地の面積を測定する工程です。

【H工程】地籍図及び地籍簿の作成

一筆地調査、地籍測量及び地積測定の結果について、図面及び簿冊に取りまとめる工程です。

地籍調査に対する支援

本当に大丈夫?難解な都市部での一筆地調査

これまで、都市部で地籍調査が遅延した原因はひとえにE工程(一筆地調査)の難解さです。C工程・D工程の図根三角・多角測量は、GPSの発達で的確な観測計画をたてれば、誰が測量しても、ほとんど差のない均一な成果を納めることが可能になりました。けれども、E工程は、地権者の立会という、土地の沿革を調査し、個々の主張を調整の上、真の筆界(境界)を確認する作業ですので、いくら測量機器が発達したからといって、この行程を効率よく処理することはできません。ここで必要となるのは、反復継続して、土地の調査・測量に従事している専門家ということになります。

おまかせ下さい!一筆地調査、地籍細部測量は土地家屋調査士の日常業務です

地籍調査という事業は、その目的が「一筆毎の土地所有者、地番、地目を調査するとともに、境界の位置及び面積についての測量を行い、その結果を地図及び簿冊にまとめるもの」であり、これはまさしく、土地家屋調査士が日常執り行っている業務の延長に外なりません。外部技術者の活用が可能になった今日、我々はその最適任者であると自負しております。

地籍調査事業の進捗率

地籍調査事業の都道府県別進捗状況 (令和元年度末・単位: %)

都市部での調査は進んでおらず、大阪府の進捗率は10%となっています。

出典:地籍調査Webサイト http://www.chiseki.go.jp/situation/status/index.html

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